2012年07月05日

Kaossilator好きから見た『Synth Arp & Dr Pad (YAMAHA)』レビュー

アルペジエータとドラムパッドで音楽制作できるiPadアプリ『Synth Arp & Drum Pad』が配信された。アルペジエータを中心に考えるというのは新しいアプローチかも。今月中(2012/7)は半額セールということもあり、買ってみた。
細かい仕様については公式ページを参照のこと。

第一印象として、とにかく機能が豊富。あまりに豊富すぎて面倒くさい…というのが主な感想(^^;

KORG Kaossilator系は、X−Yパッドで大雑把に指を動かして、それを録音し、ループ再生しながら他の音を重ねて行くというのが基本。大雑把ではあるが、そのぶん直感的に動かすことでき、変化のあるカッコいいフレーズが素早くできる。

一方、この Synth Arp & Drum Pad もループで重ねて行くことは同じだが、リズムセッションはパッド画面でバスドラ、スネア、ハイハット…とドラムパターンそのものをしっかり演奏して作っていかなければならないし、キーボード画面で行うアルペジエータも、(アルペジエータが補助してくれるとは言え)それなりに(鍵盤で)演奏していかなければならない。

アルペジエータのパターンは楽器とジャンルの分類により342種類も用意されているが、結局は“その中からどれを選ぶか?”ということであって、良くも悪くも「よくあるフレーズ」になりがち。例えば、Trance系を選べば「ああ、確かにトランスだわ」という感じ。結局は既存の音楽ジャンルを忠実に再現できるというようなもの。
用意されている音色も普通にポップスに使えそうな「まともな」ものがほとんど。このへんはYAMAHAらしいところか。
とりあえず適当にやってみたが、やっぱりavexな感じになってしまった(笑)。

ここまでネガティヴな印象で書いたが、これは裏を返せば、自分の思い通りにフレーズが作っていけるということ。

パッド画面は打楽器のみならず、コード(和音)をセットできるので、キーボードをリズム的に演奏できる。もちろんその和音構成音も自由にエディットできる。
キーボードは、SCALE(音階)を設定することで白鍵だけの特殊鍵盤になり、その音階構成音だけで演奏できるようになる。もちろん、アルペジエータのON/OFFはできるので、メロディーを普通に演奏もできる。
メインであるアルペジエータはいろいろと細かく設定できる。ジャンルに合わせたオリジナルパターン(ORG)の他、スタンダードなUp/Down/Alt1/Alt2/RNDとOctave Rangeの選択ができる。Gate TimeやSwingの程度をリボンコントローラで直感的に調整できるのは使いやすい。
Undo/Redoがあるので演奏ミスを恐れなくても良い。
トラック(PART)数は16あり十分。実はこれは録音トラックではなくMIDI Ch.そのもの。よって録音したパートの音色だけを後で変更可能。(これはiPhone/iPadアプリのiKaossilatorの“パート”と同様)

【まとめ】
『Synth Arp & Dr Pad』が向いている人:
・既に音楽のイメージが頭にあり、それを簡単に再現したい
・和音(コード)の基本を知っている
・J-POP好き

『iKaossilator』が向いている人:
・その場で偶然生まれるフレーズから広げていきたい
・とにかくすぐに音楽っぽくしたい
・個性的な音が好き
・House/Techno好き


私の場合、(ヘタに鍵盤が弾けるものだから?)鍵盤で弾くとどうしてもありがちでつまらないフレーズになってしまう。ドラムパッドでのプレイも普通のドラムパターンにしかならない。売れ筋なJ-POPには興味がないし、個性的なものが好きな自分には、(自分の中の)固定概念を壊してくれる自由度の高いKaossilatorとの相性がやはり良いようだ。
posted by pattayan at 00:25| Comment(0) | レビュー